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高橋俊明さんが静かに見守るなかで、たぶの木学園での動物ふれあい活動が続けられています。6年前のスタート時点から参加してきた1期生の飼い主さんに、動物との思い出を聞かせていただきました。


 
村上千香さん
たぶの木学園でのCAPP活動で、利用者さんとお散歩をするエルマー。引き綱を利用者さんが持ち、飼い主の村上さんが手を添え、エルマーは車椅子のペースに合わせ、ゆっくり歩きます。穏やかで愛情あふれるエルマーの心底うれしそうな笑顔としっぽブンブンは、皆さんの人気の的でした。
 
   
   
一人っ子の息子にきょうだいがいたらいいなあ、と思って出会ったのがエルマーでした。

わが家にエルマーがやってきたのは、14年前の4月でした。息子が小学校に入学し、子育てに少し余裕を持てるようになったこともあり、一人っ子の息子にきょうだいがいたらいいなあ、と思って犬を飼うことにしました。家の中で一緒に暮らせる大型犬で、性格が温和な犬種を、ということで、ラブラドールの小犬を探したところ、たまたまある雑誌で告知を見つけ、息子と相談して、3月生まれの小さなオスの小犬をいただくことにしました。両親ともに盲導犬の血筋を引いています。
  大分から飛行機を乗り継いで、わが家に来た小犬は、その日から息子と仲良しになりました。名前は、息子の好きな『エルマーのぼうけん』から取りました。勉強をする時も本を読む時も、いつも一緒。エルマーの背中にノートを広げて宿題をしたり、ぴったり寄り添ってお昼寝をしたり。一緒に警察犬の訓練大会に参加して、特別賞をいただいたこともありました。
  エルマーは、とてもおおらかで穏やかな性格。しかも甘えんぼうで、食いしんぼうで、さびしがりや。6歳の時、主治医のたかとし先生から、たぶの木学園で始めるCAPP活動に、1期生として参加しませんかと声をかけていただきました。事前の適正テストに合格したものの、エルマーの負担にならないかと不安でした。


エルマーはいつも、みんなの先頭を切って、
利用者さんの待つ会場に歩いていきました。


 ところが、エルマーはいつもみんなの先頭を切って、しっぽをブンブン振りながら、会場に歩いていくんです。利用者の皆さんが楽しみに待っていて、かわいがってくれることが、嬉しくて楽しかったのでしょうね。私は安心する一方で、ふれあう喜びを改めて彼から教えられました。
 エルマーは昨年10月に亡くなりました。具合が悪くなってからも、毎晩、そばに付き添って寝ていたのですが、最期の日の明け方、私の膝の上で息を引き取りました。「エルマー、ありがどの。お母さん、エルマーと会えて、ほんとに幸せだったよ。ありがとう」。夜が明けて朝になるまで、ずっとその言葉だけをくり返していました。
 悲しい時も、つらい時も、うれしい時も、いつもそばにいてくれる、かけがえのない存在。それがエルマーでした。亡くなった犬は、虹の橋のたもとで待っていてくれると聞きました。いつか私もそこで再会できた時には、やっぱり「エルマー、ありがどの」と言いたいと思います。





 
 
  池田順子さん
酒田市在住。旦那さんと高校1年生の娘さんの3人暮らし。家業は、酒田港遊漁船「大栄丸」。2代目マーシーは、家族が集うリビングで大切に育てられています。写真のポーズはマーシーのお気に入り。CAPP活動の最中も、こうしてカゴから可愛い顔を出して、愛嬌をふりまいています。
   
初代マーシーとの出会い CAPP活動との出会い
そこから始まったこと。


私がCAPP活動に参加したのは、平成15年の6月から。以前は初代マーシーと、今は2代目マーシーと参加しています。
  初代との出会いは10年前。娘が一人っ子だったのでペットを飼いたいなあと思っていた頃、たまたま入ったホームセンターで一目惚れして連れて帰ってきました。
  CAPPとの出会いは、ある時、たかとし動物病院の恵美さんから、そういう活動をしているから一度活動を見学に来ない? と誘っていただいたんです。それで最初は私一人で見に行きました。マーシーを連れて活動に参加したのは、何ヶ月か経ってからです。うさぎはストレスに弱い動物なので心配しましたが、マーシーを見た時の利用者さんたちの嬉しそうな顔。誰かが手を出そうとすれば「まだだめだよ」と教える人がいて、皆さん小さい命を大事にする心をきちんと持ってらっしゃる。職員の皆さんやボランティアさんも、小さなマーシーをあたたかく見守ってくださって、これなら大丈夫だと思いました。
  そうやって1ヶ月に1度の活動がリズムになっていたある時、マーシーに病気が見つかったんです。それからはあっという間でした。亡くなった時は恵美さんやボランティアの皆さんが駆けつけてくれました。そして、いつか必ずやってくる現実をそれぞれが感じ、皆で悲しみを分かち合ってくれました。たぶの木学園でも、利用者さんたちにこの事実をどう伝えるべきか悩んだうえで、正直に話したらしいんです。そしたら皆さんがきちんと受けとめて、お別れのカードをくださった。一言一言にマーシーに対する思いが溢れていて…。私たち家族の大切な宝物ですね。この時は、私も含めて活動に関わるすべての人にとって、思いがけない勉強になりました。

2代目マーシーとの出会い
小さな命と向き合い、ともに生きるということ。


  初代マーシーが亡くなって100ヵ日が過ぎた頃、偶然鶴岡のペットショップでこの子を見つけて、抱っこさせてもらったんです。そしたら私の腕の中にすっぽり収まって(笑)、そのまま連れて帰りました。たまたまこの子も初代同様、CAPPに適した性格だったので、その1年後から活動に参加しました。初代が続けられなったことを2代目が継いでくれているのが嬉しいです。この子たちとの出会いから、新しい出会いや発見がありました。その小さな命に感謝しながら、今後も家族として共に暮らしていきたいです。


(スプーン2008年6月号に掲載)
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