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  一輪の花から広がる可能性。
ダリアの産地といえば、県内でも置賜地方が有名ですが庄内でも近年、栽培が本格化し、急速に普及しています。花き生産の中で、トルコギキョウなどと並ぶ一大産地を目指し、生産者が大切に慈しみ育てた色とりどりのダリアは、今年も、秋色の庄内に花を添えました。


JAそでうら 花き部会
佐藤 潤子さん
さとう じゅんこ・酒田市坂野辺

潤子さんはご主人の久さんと一緒にオリエンタルユリやトルコギキョウ、アルストロメリアも栽培。「食彩工房 いちご畑」にも出荷しているのでチェック!また、プライベートでは、地元ブルーグラスバンド「日和山楽団」のヴォーカルを務めるという一面も。
 

多彩なバリエーションの花姿は、栽培の楽しみ。
使い方にもさらに可能性が感じられる花です。


  今年7月、本間美術館の清遠閣でロータスガーデンの花展「花事(はなごと)」が開催されました。由緒ある歴史的な空間を花と植物で表現したその会場には、「地元生産者が育てた花を使いたい」という畠山さんの意向から、袖浦地区で栽培されたダリアが多く使われ、斬新なアレンジで、訪れた人々を魅了しました。

6〜11月までの収穫期は、早朝からスタッフ総動員で作業。写真は出荷用の調整作業の様子。

 JAそでうら管内では、5〜6年前からダリア栽培に着手し、以来、飛躍的に生産量を伸ばしています。花き部会ダリア部門の佐藤潤子さんのもとを訪ねました。「私たち生産者は市場からの情報を受けて、将来性を見込んで園芸品目を決定します。花にも流行がある中で、ダリアは今がブーム。そうした価値の高い花に取り組みたいという思いもありましたが、何よりも花そのものの素晴らしさに興味を惹かれました」。袖浦地区は全般にハウスの面積が多いため量産が可能で、砂地という水はけの良い地質上、肥料の調整がしやすく、美しくしまった花に仕上がる利点があります。佐藤さんの20アールのハウスでは、超巨大輪「ベルオブバルメラ」「浮気心」など約20種類のダリアが育てられていました。「20種類あれば20通り。すべて特徴が違うので栽培の難しさはありますが、花姿の多彩なバリエーションは育てる楽しみのひとつです」。栽培品種は、インスピレーションだけでなく、次の年につながる品種かどうかを基準に選別しているそう。どんな花が喜ばれ、どう使われるかなどの、作り手と使う側の共通のニーズを探ることが大切と語ります。「ダリアを育てていると、『あの場所に、こんなふうに飾ったらきれいだろうな』なんてよく考えます。大きくてインパクトがあるので、空間を埋める花としても使えますし、最近はブライダルにも多用されてきて、まだまだ可能性が感じられる花です。買ってくださる方が『こんなふうにも使えるね』と喜んでくれるような、身近な花になったら嬉しいです」。


 
憂いを秘めた赤と、紅をひいた可憐な黄。
斎藤さんが今年育てた、表情豊かなダリアたち。
  今夏、Lotus Gardenの花展「花事」では
JAそでうら提供のダリアが空間を彩りました。


存在感があって、バラエティ豊かなダリア。
暮らしの中のさまざまな場面で咲いてほしい。


 JA庄内みどりの花き部会は、若い生産者を中心とした138名で構成し、関東圏をはじめとする市場に、約15品目を出荷しています。中平田の斎藤勝彦さんは、昨年からダリアの栽培を始め、今年は40種以上もの品種を手がけました。「もともと物珍しいものや目新しいものが好きで、ダリアの栽培も前々から面白そうだなと思っていました。でもまったくの初心者で、とにかく調べて考えて、市況に沿うものを作るために、今も試行錯誤しています」。約40品種のうち、斎藤さんの主力商品は10品種ほど。しかも、1箱に20〜30本の一般的な出荷本数ではなく、1箱あたり5〜10本ほどを箱詰めするのだとか。「ダリアは1本でも存在感があって、これだけ多くの品種がありますから、花屋さんの用途が広がるようにバラエティを増やして、数種を少量単位で販売できるようにしました」。また「赤のダリア」といっても、さまざまな色合いや花型があることから、斎藤さんは自身のホームページに花暦を作って、栽培品種の詳細を公開しています。さらには、商品としても、花だけでなくつぼみをつけたままで出荷するのだそうです。「そうするといかにも自然に生えているような雰囲気で使えますよね。ダリアは、わき芽を掻いて見せ方を変えたり、開花調整が自由にできたりするので、出荷時期も12月ぐらいまで伸ばすことができるんですよ」。
  このところはブームで、いろいろな場面に使われているダリアですが、ただ一つの難点は、日持ちがしないということ。斎藤さんは収穫の際も、水の入ったバケツを片手に、気を使って作業をしていますが、今後はいかにして、より長く花を保たせるかを追究していきたいと語ります。「ダリアは、一生懸命に手をかけるほど美しく咲きます。私たち生産者が興味を絶やさずに取り組んで、人々の暮らしの中にいつでも咲いている花になることを願っています」。

 
高橋江里子=取材・文
text by Takahashi Eriko
 
JA庄内みどり 花き部会
斎藤 勝彦さん
さいとう かつひこ・酒田市小牧

斎藤さんはストックとトルコギキョウも栽培。ホームページ内のダリアの写真は、赤青メガネをかけて見ると、画像が立体的に見える仕掛け。

(ホームページ)
http://www14.plala.or.jp/kattyan/dahlia/
(ブログ)
http://pub.ne.jp/kattyan15/



ダリアの母国は、海を越えた南の大地。
ダリアの原産国は、メキシコなど中南米の高原地帯。比較的冷涼な地に自生していました。18世紀末にヨーロッパに伝わり、日本へは江戸時代末期にオランダから持ち込まれます。以後、「天竺牡丹」と呼ばれ、昭和初期には庭先を飾る、夏から秋の花として日本中に広まりました。

世界中に3〜4万種、 色も形も千差万別。
ダリアが世界中に広まると、熱心な育種家たちによって、数えきれないほど多くの品種が生み出されました。でも基本は、豪華な印象を与える「デコラ咲き」、菊のように細い花弁が特徴的な「カクタス咲き」、蓮の花に似ている「スイレン咲き」、ボールのように丸い「ポンポン咲き」の4つに分類されます。ほか、9センチから25センチ以上になる花の「直径」や、100センチ未満から 170センチ以上にも伸びる「草丈」などの特徴も理解しておくと、自分で栽培する時の目安になりますよ。 

ダリアの楽しみ方いろいろ。
最近は購入できるお店も増えてきたので、部屋に切花を飾るなど、気軽に楽しめるようになりました。じっくり鑑賞したいなら、川西ダリヤ園や秋田国際ダリア園にお出かけするのもおすすめです。でも一番の醍醐味は、自分で栽培することでしょう。春にダリアの球根を通販や園芸店などで入手したら、自宅の庭先や鉢などに植え付けます。育て方は専門誌やすでに栽培している人に聞くのがベストです。本誌で紹介した皆川さんも親切に教えてくれますよ。ちなみにダリアの球根は食用のため、漬物などにして食べても美味です。

今、全国的に注目を集めている大輪の花。
キク科のダリアは、かつて庭先を飾る定番の花だった時代がありました。でも高温多湿の日本では栽培を続けるのが難しいせいか、その後、人気は下火となります。ですが近年、ダリアの現代的な魅力が見直され、ブライダルやパーティーシーンなどの装花として注目を集めるようになりました。一輪でも空間を華やかにし、和にも洋にもアレンジできる幅の広さが人気のようです。それに伴い、現在は流通する品種も増え、一般の人も求めやすくなりました。魅惑の一輪、あなたもいかがですか。

 
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長谷川結=取材・文
text by Hasegawa Yu

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