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 Home > 大人仕様 6. カクテル編
 



Japanese pear Martini
和梨のマティーニ
(豊水)

水分たっぷりの梨は、フレッシュフルーツカクテルに最適。
豊水の軽い酸味で飲み口さわやか。
Grape Martini
ぶどうのマティーニ
(デラウェア)

こっくりした甘さと酸味のあるデラウェアは、ベースをワインやスパークリングワインにしても◎。
Watermelon Martini
スイカのマティーニ
(スイカ)

カクテルで味わう旬はまた格別。
スイカカクテルならグラスの縁に塩をまぶしてスノースタイルにしても美味。
Muscat Martini
マスカットのマティーニ
(マスカット)

果汁以外のジュースは極力加えずに作られるため、グラスに注ぐとマスカットの芳醇な香りが漂う。


押して搾ると果皮部分の苦味が
抽出されません。
副材料に欠かせない
グレープフルーツが
美味しくなる搾り方。

半分にカットした果実をスクイーザーの中心に乗せ、真上から一押しします。次に、右手のひらを果実の側面に押し当てるようにして一搾りしたら、一旦手を離し果実を回して搾り位置を変え、また一搾り。これを何度か繰り返して搾ると、余分な苦味がなくなります。
 
シックに、カジュアルに、
自分の特別な空間で
鮮やかなカクテルに酔う。

カクテル編 | 指南役 BAR ChiC
寿司職人は、海が荒れても旨い寿司を握ることが使命なんです。
バーカウンター越しに見る、バーテンダーの妙技もまた醍醐味。昭和町の昭和ビル2階に2号店「BRUT(ブリュット)」がある。
鶴岡市本町1-8-44 [営]19時〜翌3時 [休]不定 0235(22)4958

 映画や小説の中でも洒落た小道具として使われる“カクテル”。たった一杯のお酒が、大人の恋をとびきりロマンティックに演出したり、ダンディズムを醸し出したりするから不思議です。その舞台であるバーカウンターは、流行に敏感な人々の情報発信・収集の場であり、バーカウンターを征する者は恋や仕事をも制する、といえるのかもしれません。そこで今回は鶴岡のBAR ChiCオーナーで日本バーテンダー協会庄内支部の鈴木克人さんに、カクテルの愉しみを教えていただきました。

扉の向こうには美味しいカクテルと
非日常的な空間がある。


 カクテルの起源は古く紀元前で、ワインを海水で割ったり、ビールに蜂蜜や生姜、薬草を加えて飲んだりしていたものといわれています。現在のようにバリエーションに富んだ、冷えたカクテルは、製氷機などの発明によって飛躍的に発展しました。さらにその歴史を語る上で欠かせないのが、1920年にアメリカで施行された「禁酒法」。人々は密造された質の悪いお酒を美味しく飲むために試行錯誤し、それが皮肉にもカクテルの発展に繋がったというわけです。ちなみに日本にカクテルが登場したのは明治16年。鹿鳴館で振る舞われたのが最初で、もちろん限られた階級の人だけに与えられた特権でした。カクテルという甘美で華やかな言葉の響きは、その歴史の中にも秘められているようです。お酒の奥深さとバーテンダーの洗練された技術、非日常的な空間があってはじめて完成する、特別な世界。「音楽、心地よい椅子、空気感、すべてが重要な要素です。お客様にも私たちにとっても、カウンターはステージだといえるかもしれませんね」。

美味しさを感じるカクテルの決め手は
フレッシュフルーツ。


 21年のキャリアを持つ鈴木さんでさえ、一杯のカクテルを作る時は今も緊張感を覚えるといいます。「名のあるカクテルにはすべて決まったレシピがありますが、それほど厳密ではありません。使うリキュールや副材料ごとに味はかなり違ってきますし、生の果汁を使う場合も果実によって甘みが違うので、その都度、味の調整をしています。非常に微妙な作業ですが、それでも私が生の果汁にこだわるのは、やはり美味しいからですね」。また、カクテルの名の由来は材料を混ぜた木の枝=コックテイル(鶏の尾)という説があるように、混ぜる作業はカクテルの重要な特徴。じつは2種類以上のジュースを混ぜればノンアルコールでもカクテルになるのです。





グラスと2、3種類の材料から始める
大人仕様のホーム・カクテルタイム。


 カクテルの種類は、甘くなくてドライな食前酒、消化を促す食後酒、いつでも気軽に飲めるオールデイのTPO別、さらにショートカクテルとロングカクテルというグラスの大きさ、つまり容量別などに分類されます。基本的に「ロング」は時間をかけて楽しむもので、「ショート」はアルコール度数も高め、時間が経つと味が落ちることから短時間で飲むものとされています。「バーで何を飲めばいいかわからない時は、アルコール度数や飲み口、フルーツ系など、好みをお店の人に伝えるのがいいですね。また、カクテルの名前の由来などを尋ね知るのも、味わいを深めるひとつかもしれません」。


混ざることで空気を含み、
味もまろやかに。
 
同じトマトジュースでも色も風味もまるで違う! カクテル別に使い分けも。
野菜や果物のジュースには、搾りたての「ストレート果汁」と、「濃縮還元果汁」がありますが、濃縮還元のジュースを(1)そのままで (2)シェイクして (2)ブレンダー(ミキサー)にかけて、それぞれ飲み比べてみると、空気を含んだ(2)と(3)はフレッシュ感が再生!


カクテルの新提案
スタイリッシュなマティーニ・スタイル。


 では、自分で誰かにカクテルを振る舞ってみたい、と思ったら?
「まず好きなリキュールやジュースを選んで、ビアジョッキなどの大きな容器を使って作ると、比率の誤差も少なく、味見をしながら調整できるので簡単に美味しく作ることができます。僕が家族や仲間とアウトドアに出かけてよく作るのはカンパリソーダやジンリッキー。野外でもライムやレモンは必ず生を使います。室内で楽しむ場合はグラスや材料をあらかじめ冷やしておくと、水っぽくならずに美味しく作れますよ」。また、華やかな場所に招かれてカクテルをいただく場合には、ぜひ「マティーニ・スタイル」でオーダーを。ロングカクテルをあえて脚付グラスでいただくこのスタイルはフォーマル+カジュアルで大人気。
 皆さんも日常のあらゆる場面にカクテルを取り入れて、ひとときの洒落た時間に酔ってみませんか。

(スプーン2008年9月号に掲載)

〈参考文献〉
橋口孝司『カクテル&スピリッツの教科書』新星出版社
渡邉一也『うまいカクテルの方程式』日東書院本社 ほか

浅賀閑子、高橋江里子=取材・文
text by Asaka Shizuko, Takahashi Eriko
和島諭=写真
photograph by Wajima Satoru
日向香=デザイン
design by Hinata Kaori
 

“肩肘張らず、自由に”とは言っても、やっぱり格好よくふるまいたい。寿司を食す、一挙手一投足。
1
ポイ捨てするより再利用
空き缶シェーカーで
君も私もバーテンダー。

用意するのは、カルーアコーヒーリキュールと牛乳各45mlと氷、口が広いアルミ缶。まず、缶の口の大きさに合わせて氷を水で洗い大きさを整えます。ちなみに氷は、空気を多く含まない市販のものを使うのがベスト。雑味や臭いはカクテルの味を左右します。

2
材料をよく混ぜることが
大きなポイント。
基本のフォームにもトライ。

氷を適量と、材料を分量だけ缶に入れたらフタをしていざシェーク。持ち方は、まず右手の親指でフタを押さえ、薬指で本体を支えて、中指と人差し指は軽く添えます。左手は中指で底を支えて、ほかの指も添える程度。これは空き缶シェーカーの場合、です。

3
バーテンダーの技の中でも
ひときわ派手で
じつに効率的なシェーク。

カクテルの作り方の中では、一番特徴的な「シェーク」の技。シェーカーを胸の位置に構えたら、斜め上(目の高さぐらい)→手前→斜め下→手前の順で「く」の字や「8」の字を描くように、テンポよくスピーディーに振ります。バーテンダーごとの違いも見どころ。

4
とにかく振って、振って!
冷え具合を指で感じながら
飲みごろを見計らおう。

「材料がよ〜く混ざったな」という手応えを感じたら、お気に入りのグラスに注ぎます。この時、缶の中の氷もカクテルと一緒に注いでもいいですが、よりクリーミーに味わいたいなら缶のフタで口を押さえて氷を入れないようにして注ぐといいでしょう。



◆バックナンバーもチェック!
1.和菓子編 | 御菓子司 小松屋(2008年4月号)
山水花鳥風月を映し、日本人の美意識を形にした 五感で味わう芸術品。
2.パン編 | モンパン(2008年5月号)
食卓にあるだけで心豊かに、楽しみふくらむ、パンのある暮らし。

3.花編 | Rosa(2008年6月号)
もの言わぬ花々が、その色彩や造形に託した
癒しのメッセージ。
4.寿司編 | 寿司・割烹 鈴政(2008年7月号)
カウンターに座り、自然体で味わってみたい
粋な大人の旨し時間。

5.フレッシュジュース編 |
フルーツデリにしむら
(2008年8月号)
ビタミンカラーを心と身体に取り入れて
彩る、ヘルシーライフ。
6.カクテル編 | BAR ChiC(2008年9月号)
シックに、カジュアルに、自分の特別な空間で鮮やかなカクテルに酔う。

7.紅茶編 | プティポアン(2008年10月号)
ゆっくり過ごしたい時間。お気に入りの紅茶をいれ、体と心で豊かに味わう。

11.ワイン編 | ワインバー&ダイニング Ravi(2009年2月号)
料理、会話、場の空気。素敵なテーブルを演出する気軽で楽しいワイン術。



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