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いつものお正月料理にそろそろ飽きてきたなと感じたら、同じような食材を使った、こんなメニューはいかがでしょう。イクラの赤、菊の黄、三つ葉の緑と、色合いもとっても鮮やかで、お正月らしいんです。カボスでさっぱりといただく夏江さんオリジナルのちらしです。
お米3合に対し、6〜7センチの昆布2枚と塩小さじ半、お酒大さじ2を加え、普通の水加減で炊き上げます。「あとで鮭のみそ粕漬を合わせるので、塩はあくまでもあっさりと。なめてみて、少ししょっぱいかなというくらいが目安です」。
ご飯が炊き上がる間に、合わせる具を用意しましょう。まず、鮭の切り身は焼いてほぐしておきます。蓮根は薄くいちょう切りにしてから、ヒタヒタの水で下茹でします。火が通ったらお湯を捨て、ここに椎茸を入れます。椎茸は、できれば干し椎茸を使いたいところですが、もし無ければ生のものをスライスして使ってください。ヒタヒタになるように水を張り、しょうゆ大さじ1、みりん大さじ1、塩小さじ半、砂糖大さじ1.5を加えて火にかけ、5〜6分煮含めます。具材に味がついたらザルに上げて、煮汁を切ります。「あとでご飯と合わせるので、べちゃべちゃにならないように煮汁はよく切ってくださいね。もし、お正月用に含め煮にした椎茸が残っていれば、それを刻んで利用してもいいんですよ」。
黄菊は、旬の時期に夏江さんが保存しておいたものを使いました。塩を入れたお湯で黄菊をさっと茹で、しっかりお湯を切ってから、お酢に昆布を入れた汁に漬け込んだものです。こうしておくと、色も変わらずに保存できるのだそうです。次回の旬の時期には是非お試しくださいね。イクラは飾りとして使うので、見た目を優先するために、ここでは敢えてお酒に漬けて、表面をパリッとさせておきました。お酒を使うのは好き嫌いもあるでしょうから、イクラの処理については、お好みの調理法でやってみてくださいね。
ご飯が炊き上がったら、飯台に移しましょう。広げて冷ましながら、カボスを絞ってご飯全体になじませます。ご飯3合に対して、カボス大さじ3が目安です。ここに、蓮根、椎茸、ほぐした鮭の粕漬を入れて、全体を切るように混ぜていきます。ご飯を器に盛りつけます。イクラを散らし、三つ葉で彩ったら出来上がりです。「カボスを絞っただけなので、完全な酢飯というわけではないんですよ。カボスが無いときは、レモンよりも、ゆずやすだちといった国産の柑橘類をおすすめします」。
お酢を使わない、さっぱりとさわやかな仕上がりが、年末年始で疲れた胃袋をやさしく癒してくれますよ。
(スプーン2009年1月号に掲載) |
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明けましておめでとうございます。
カボスのさわやかな酸味の夏江さんオリジナルの「ちらし」で年末年始の疲れた胃をやさしく癒してみませんか。
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【材料】
米3合
昆布
塩小さじ半分
酒大さじ2
鮭のみそ粕漬3〜4切れ
蓮根100g
干し椎茸3〜4枚
煮汁/しょうゆ大さじ1
塩小さじ半
砂糖大さじ1.5
みりん大さじ1
カボス大さじ3〜4 (ゆずでも可)
イクラ適宜
三つ葉
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放上夏江=料理
cooking by Hojo Natsue
三浦栄子=取材・文
text by Miura Eiko
斉藤貴子=写真
photograph by Saito Takako |
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