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夏野菜のようでもあり、秋から冬が旬のようでもある、考えてみればかぼちゃって不思議な野菜ですよね。種類が変わりながらも、ほぼ一年中、野菜売り場でお目にかかることができます。そんなかぼちゃをさらに美味しいペーストにして、ココナッツがたっぷりと入った口どけのよい生地と合わせました。
まず、タルトの生地から作ります。小麦粉100g、ココナッツを細かく刻んだココナッツファイン30g、砂糖25g、塩1〜2つまみをすべてボウルに入れます。バター70gは、製菓用カードを使って細かくきざみ、それからボールに入れてください。手で揉むようにして、全体をよく混ぜ合わせます。最後に、卵の黄身一個分を加えてさらに混ぜます。白身は後で使うので、取っておいてくださいね。
生地が出来上がったら、調理台にラップを広げ、その上に生地をのせます。めん棒を使って、延ばしては畳んで、また延ばすを3〜4回繰り返してください。そして生地を冷蔵庫で30分ほど寝かせます。
冷蔵庫から生地を取り出したら、生地をタルト型に入れて敷きます。「ただ、この生地にはココナッツがたくさん入っているので、焼きあがったとき崩れやすいんです。だから、切り分けながら食べる大きなタルトはおすすめしません」。というわけで、今回は個人用のマドレーヌ型を使います。切り分けた生地を、用意した型に合わせてそれぞれ中に敷いていきます。そして生地の内側に、ペーストから出る水分を抑えるための、さきほどの卵の白身を塗ります。それらを、200度設定で予熱しておいたオーブンに入れ、そのままの温度でまず7〜8分、続いて180度に落として7〜8分焼けば、出来上がりです。「温度設定はちょっと注意してくださいね。200度のままだと焦げやすいんです」。
ペーストを作ります。ココナッツミルク70ccと牛乳30ccを鍋にいれ、かぼちゃの皮を取り除いたもの300gを、その中に入れて煮ます。かぼちゃがやわらかくなったら砂糖50gを加えて練り、さらに裏ごしします。「市販の冷凍かぼちゃでもいいですよ。一袋全部使って皮を取り除くと、ちょうどいい分量になるんです」。
こうしてペースト状になったかぼちゃに、ラム酒少々とシナモンひと振りを加えます。生クリーム70ccを泡立て、途中砂糖小さじ2を加えてさらに泡立てたら、さきほどのペーストと合わせて、よく混ぜます。絞り袋に入れて、焼きあがったタルト生地の上にペーストを絞り出します。最後に、ココナッツを刻んでフライパンでカラ煎りしたものを飾り、シナモンシュガーを振りかければ出来上がりです。
(スプーン2008年11月号に掲載) |
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ひと味違った美味しさのかぼちゃのタルトの登場です。
自然の甘さを生かしたペーストとココナッツたっぷりの生地のハーモニーをお楽しみください。
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【材料】(4人前)
《タルト生地》
小麦粉100グラム
ココナッツファイン30グラム
砂糖25グラム
バター70グラム
塩1〜2つまみ
卵小1個
《ペースト》
皮を取ったかぼちゃ300g
ココナッツミルク70cc
牛乳30cc
砂糖50g
生クリーム70cc
砂糖小さじ2
ラム酒、シナモンお好みで
ふりかけ用ココナッツ適宜
シナモンシュガー適宜
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放上夏江=料理
cooking by Hojo Natsue
三浦栄子=取材・文
text by Miura Eiko
和島諭=写真
photograph by Wajima Satoru |
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