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イタリア料理でおなじみの「フォカッチャ」。料理といっしょにいただくもよし、具をはさんでいただくもよしの、さまざまな料理との相性が抜群のパンです。夏江さんはもちろんフォカッチャも手作り。そのレシピから教えていただきました。
まず、ボウルにドライイーストと、強力粉、砂糖、塩、それぞれの分量を入れて、人肌くらいのぬるま湯180ccを加え、ゴムべらで混ぜます。粉っ気がなくなるまで混ぜたら、オリーブ油を加え、滑らかになるまでよくこねます。出来上がったら丸くまとめてボウルに戻し、ラップをかけて一次発酵させます。「なるべく温かい環境に置くと、はやくふくらみます」と夏江さん。生地が2倍くらいにふくらんだら、ガス抜きをして、8分割にして丸めておきましょう。ここまできたら、また生地がふんわりふくらむまで待ちます。
つづいて生地を麺棒で手のひらサイズに伸ばし、指で4〜5ヶ所押し付けます。塩を混ぜたオリーブ油を表面に塗り、お好みでキャラウェイシードまたはローズマリーを散らします。2倍くらいにふくらんだら、二次発酵完了。待っている間に、オーブンを予熱しておきましょう。発酵が終わったら200度のオーブンで15〜18分焼き、焼きあがったら粗熱を取って、サンド用の切れ目を入れます。
次は秋刀魚の酢油煮を作ります。秋刀魚は頭とはらわたを取って水洗いし、ぶつ切りにしておきます。玉ねぎ大1個を5ミリ幅にスライスします。その半量を鍋に敷き、その上に塩・コショウした秋刀魚を並べ、さらに残りの玉ねぎを乗せます。ここでもう一度塩・コショウをしたら、味噌大さじ1を溶かした酢大さじ3〜4を、鍋に加えます。「この味噌が隠し味なんですよ。最近ダシ入りの味噌が多く出回っていますけど、ここではダシの入っていない味噌を使ってくださいね」。鍋にオリーブ油大さじ3〜4を回しかけたらしっかりふたをして、蒸し煮をするように弱火で煮ていきます。その間に、キュウリを5ミリほどの厚さに切って、しんなりする程度の塩を振っておきます。出てきた水分はクッキングペーパーで取りましょう。「酢で煮込んだ秋刀魚は、冷たい方が美味しいし、持ちもよいので、冷蔵庫で保管しておいても大丈夫。次の日のおかずにも重宝しますよ」。
切れ目を入れたフォカッチャの内側に、クリームチーズとからしを塗ります。サラダ菜を敷き、太い骨をはずした秋刀魚とキュウリ、秋刀魚と一緒に煮込んだ玉ねぎをたっぷりはさめば出来上がり。お好みでマヨネーズをたらしていただきま〜す。
コクがあるのに、さっぱりとした美味しさで、また食べたくなりそうです。
(スプーン2008年10月号に掲載) |
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バターを使わないあっさり味の
手作りフォカッチャに、
オリーブ油で煮込んだ秋刀魚を
合わせたアイデアサンド。
ガブリといただきましょう。
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【材料】(4人前)
《フォカッチャ》
強力粉300g
ドライイースト7g
砂糖15g
塩5g
オリーブ油大さじ1.5
ぬるま湯180cc
《秋刀魚の酢油煮》
秋刀魚4尾
玉ねぎ大1個
オリーブ油大さじ3〜4
酢大さじ3〜4
塩・コショウ
味噌大さじ1
キュウリ1〜2本
クリームチーズ
サラダ菜
からし
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放上夏江=料理
cooking by Hojo Natsue
三浦栄子=取材・文
text by Miura Eiko
和島諭=写真
photograph by Wajima Satoru |
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