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「ビーフストロガノフ」と言えば、少なくとも私の頭の中では、手の込んだ、オシャレな高級感あふれるごはんのイメージがず〜っと強かったメニューのひとつです。夏の暑さもひと段落したこの時期、しっかりと美味しいごはんをいただいて、たまった疲れを吹き飛ばしましょう。
まず、玉ねぎ中2個とマイタケ1パックを5ミリ幅くらいにスライスします。きのこは、今回はマイタケをチョイスしましたが、マッシュルームやしめじでも美味しく出来上がりますので、お好みで選んでください。牛肉の薄切り250グラムをひと口大に切ります。煮込み用鍋を用意し、火にかけて温まったら、牛肉を炒めたときに鍋にくっつかない程度のサラダ油をひきます。
「牛肉は少し霜降りが入ったものを使ってくださいね」と夏江さん。霜降り部分から肉の脂が出てきて、足りない分をおぎなってくれるんです。牛肉を鍋に入れ、サッと塩コショウしながら炒めます。色が変わったら取り出してください。
つづいて、同じ鍋にサラダ油大さじ1弱を足して、玉ねぎとマイタケをしっかりと炒めます。このとき加える油は、バターでもかまいません。バターにするとより濃厚に仕上がります。最後にサワークリームを加えることを考えて、夏江さんはここでは軽めに仕上がるように調整しています。
玉ねぎの色が透明から茶色に変わってきたら、小麦粉大さじ4を全体に振り入れてさらに炒め、玉ねぎによくからめます。以前ホワイトクリームを作る時にもご紹介しましたが、今回も、ダマにならずに適度なトロミを付けるためにこのやり方を使っています。ここで水500ccを加えます。
「4人前なので、ひとり100で、本当は400なんですが、煮詰まったり、アクを取ったりした時に減ってしまうことを考えて、100ccプラスしています」。
ぐつぐつしてきたら牛肉を鍋に戻します。さらに煮込むと泡が出てきます。これがアクなのできれいに取り除きます。具材が柔らかくなったら、固形コンソメ1個を砕きながら鍋に投入。そして、エバミルク100ccとトマトペーストを加えます。
「煮込み料理に牛乳を使うと分離してしまって、美味しそうじゃないんです。だからエバミルクがおすすめです」。ここまで出来たらひと段落。あとは、いただくときに温め直し、沸騰する寸前に火を止めて、サワークリームを加えて、塩コショウで味を調整したら出来上がりです。お皿にごはんと一緒に盛りつけていただきましょう。
な〜んだ、思っていたよりもずっと簡単なんですね。コクがあるけどさっぱりとして、見た目も上品。これだったらわが家の定番メニューになりそうです。
(スプーン2008年9月号に掲載) |
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牛肉、玉ねぎ、マイタケ。
材料と言えるのはたったこれだけ。
ていねいに炒めて煮込んでアクを取って、旨みを引き出します。定番メニューになりそうですね。
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【材料】(4人分)
牛肉薄切り 250g
玉ねぎ 中2個
マイタケ 1パック(しめじでも可)
小麦粉 大さじ4
サラダ油 大さじ1弱
水 500cc
コンソメ 1個
エバミルク 100cc
トマトペースト 大さじ2
サワークリーム 100g
塩・コショウ 適宜
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放上夏江=料理
cooking by Hojo Natsue
三浦栄子=取材・文
text by Miura Eiko
和島諭=写真
photograph by Wajima Satoru |
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