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春の景色をお皿のキャンパスに再現したような、彩りも美しい洋風ちらし。お祝いごとの多い春にぴったりのメニューを、ぜひいちど試してみませんか。
まずお米を研いで、1時間ほど水に浸します。その間に、米といっしょに炊き込むための玉ねぎとエリンギを2〜3ミリ角に切りそろえましょう。生のホタテも一緒に用意します。お米に十分水を吸わせたら、あとで寿司飯にすることを考えて、通常の水加減よりちょっと少なめの炊き水を入れてください。ホタテ、玉ねぎ、エリンギを入れ、さらに塩少々を加え、炊き上げます。塩は、あとで足すこともできるので、ここではほんのり塩気を感じられるくらいを目標にして量を決めましょう。
炊き上がるまで、その他の材料の下ごしらえをします。キュウリ、赤パプリカは、3〜4ミリ角に切り揃え、青臭さを取り除くために塩で揉んでおきます。割りほぐした卵に塩、砂糖、みりんを加えて混ぜたら、玉子焼きをつくります。ふつうだと、ちらしには薄く焼いて細く切った錦糸卵が定番ですが、ここではあえて厚めに焼き、ほかの材料の大きさに合わせて切り揃え、存在感をアピールします。エビは殻付きのまま、塩を入れた少なめのお湯で、フタをして茹でます。「殻を取って茹でると、エビが堅くなるんですが、殻を付けたまま茹でると出来上がりがパサパサせずに済むんですよ」と夏江さん。茹で上がったら、殻を取ってください。菜の花も塩茹でします。準備はこれで終わりです。
こうしているうちに、具入りのごはんが炊き上がりました。すぐに蓋を開けないで、5分ほど蒸らします。そのあとで、飯台に上げましょう。
ふつうの寿司飯は、酢、砂糖、塩を合わせたものを、ごはんに混ぜて作りますよね。ところが今回の洋風ちらしは、なんとグレープフルーツの搾り汁を使って、寿司飯を作るんです。さらに隠し調味料として、少量ですがマヨネーズまで使うんです。
「グレープフルーツ本来の甘みが、砂糖の代わりなんです。酸味が足りないようだったら、レモン汁か酢を足してください。マヨネーズは、味がわからない程度に使っているのですが、好き嫌いがあると思うので、あくまでもお好みで使ってください」。
炊き込みごはんに調味料を回しかけ、さらに下ごしらえをした具材を加えて全体を混ぜれば出来上がり。器に盛り付けて、そのまま召し上がってもいいのですが、海苔やサンチュで包んでいただくと、さらに美味しくなります。サンチュに包む場合は、少〜し塩を足すことをお勧めします。マヨネーズの油分がごはんと具を上手にまとめ、包み易くしてくれているんですね。
(スプーン2008年4月号に掲載) |
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まるでサラダのような鮮やかな彩りが、食卓に春を運んで来てくれました。
たくさんの新しい門出を、素敵なメニューでお祝いしましょう。
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【材料】(4人分)
米2合
ホタテ8個
エリンギ大きめ1本
玉ねぎ小さめ1/2個
赤パプリカ1/2個
キュウリ1本
エビ20尾
菜の花1把
玉子焼き
卵大きめ1個
塩少々
砂糖すりきり1杯
みりん小さじ2杯
グレープフルーツの搾り汁(半個分)
塩適宜
マヨネーズ適宜
海苔
サンチュ
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放上夏江=料理
cooking by Hojo Natsue
三浦栄子=取材・文
text by Miura Eiko
石丸篤司=写真
photograph by Ishimaru Atsushi |
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