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 Home > バックナンバー > 「光子さんのごっつぉ彩時記」 > 156 孟宗汁

月刊「SPOON」2005年4月号掲載

北限と言われる庄内で採れる
絶品の孟宗竹は初夏の味覚。
やわらか〜く煮て、じっくりと味を含ませた孟宗汁は庄内を代表するごっつぉです。
青塚光子=料理
cooking by Aotsuka Mitsuko
三浦栄子=取材・文
text by Miura Eiko
板垣洋介=写真
photograph by Itagaki Yosuke

イラスト=佐藤定雄
題字=齊藤千加子

旬の手作り実感シリーズ……156
 

孟宗汁
【材料】
孟宗、油揚げ、シイタケ、
だし昆布、味噌、酒粕
 九州から北上してきた孟宗前線が庄内に到達するころ、ここ庄内は春から初夏へと移り変わり、さわやかな季節を迎えます。そんな中で育まれた地物の孟宗の美味しさはまさしく絶品。これを使った、美味しい孟宗汁の作り方を、ぜひぜひマスターしたいものですね。

 美味しい孟宗汁を作るためには、まず食材の選び方からしっかりと覚えましょう。美味しい孟宗の選び方を光子さんに教えていただきました。「平孟宗(ヒラモウソウ)って言って、丸い筒形のものより、つぶっだようだ形で、皮がみずみずしぐで、下のところが白いものを選ぶと間違いねの」。こうして、柔らかくてみずみずしい孟宗を選びます。

 さて、調理に取りかかります。まず孟宗の皮をむいて、細かく切ってしまいます。「新鮮だ孟宗選べば、孟宗のごっつぉ作んなって、思ってるより面倒くさいものでねなんよの」。孟宗の穂先を、斜めに大胆に切り落とします。皮にしっかり包丁目を入れ、皮をむくというか、開くというか、とにかく皮を取り除きます。根元のブツブツも包丁でそぎ落としましょう。ここできれいに水洗いします。

 孟宗は、穂先の柔らかい部分と根元の硬い部分に分けて切っていきます。「穂先は、斜めさ切ていぐど、バラバラなんねながいの」。根元はまず縦に2つに分け、それぞれを半月型に切っていきます。

 シイタケは石づきを取り除いて、食べやすい大きさに切ります。お湯を沸かし、油揚げを熱湯にくぐらせて、油を取ります。これをひと口大に切り分けましょう。「油揚げも食べやすい大きさにすんなんども、味噌汁さ入れるように小さぐしたらだめだんよ」。

 鍋を用意して、切った孟宗、シイタケ、10センチくらいのだし昆布2枚を入れ、ここに水を張って、強火にかけます。煮立ったら昆布は取り除きます。「だしも、いろいろ工夫して作てるかたも多いみだいだんども、私だばやっぱり昆布だしだの。シイタケからも、いい旨味が出んながいの」。

 ここからは中火。このまま40〜50分ほど煮ていきます。柔らかく仕上げるコツは、ここでゆっくり煮ることなのです。孟宗が柔らかくなったら、味噌と酒粕各適宜を入れ、溶けたところで油揚げを加えます。ここで一度味見をしましょう。いいようだったら、落とし蓋をし、さらに鍋にも蓋をして、対流させながら、味を染み込ませます。

 ここから30〜40分、中火で、これもゆっくり煮込みます。孟宗、油揚げが旨味をたっぷり吸い込んだら、できあがりです。

 一度にたくさん作って、翌日はワカメを入れて若竹煮に、なんていうのもおすすめです。



■「光子さんのごっつぉ彩時記」バックナンバー


春のちらし寿司
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